相部屋で深まった関係と青春の日々。チェルシーハウスで過ごした4年間

卒寮生明治大学 4年生 平田絢音さん / 国立音楽大学 大学院 修士2年 マイさん

大学生活の4年間を、どのような場所で過ごすか。その選択は、想像以上にその後の価値観や人生の方向性に影響を与えるものかもしれません。

今回お話を聞いたのは、チェルシーハウス国分寺(以下、CH)で長く生活し、2026年春に卒業を迎える絢音さんと、中国からの留学生・マイさん。

最後の1年間は相部屋で過ごし、学業や日常を共にしながら、特別な時間を積み重ねてきました。

CHでの日々を「青春」「かけがえのない時間」と語る2人の言葉の裏には、どのような経験があったのでしょうか。

CHでの暮らしがもたらした変化、そして人と人との関係性の中で育まれたものについて伺いました。

PROFILE
明治大学 4年生 平田絢音さん
国立音楽大学 大学院修士2年 マイさん
明治大学 4年生 平田絢音さん
国立音楽大学 大学院修士2年 マイさん

「友達でも家族でもない」相部屋という関係

———お二人とも長くCHに住まれていたとのことですが、まず居住期間について教えてください。

絢音私は大学1年生から4年間、相部屋に住んでいました。

マイ私は研究生の期間も含めて4年ほどです。最初の3年間は一人部屋で、最後の1年間を絢音と相部屋で過ごしました。

———最後の1年間を、お二人で相部屋で過ごされたのですね。実際に一緒に生活してみていかがでしたか?

絢音すごく楽しかったです!部屋が汚いっていうのが私の一番の問題点なんですけど(笑)、マイちゃんは広い心で受け入れてくれて。

マイ(笑)。一人部屋のときは、誰かと話したいときは寮生が集まるリビングに行っていたんですけど、相部屋になってからは部屋にいながらそのまま絢音と話せるようになったのがよかったです。

———相部屋の相手との関係性は、どのようなものだと感じていますか?

絢音私には3人の相部屋相手がいました。それぞれの人たちは私にとって、友だちでもなく家族でもない、「相部屋」という特別な存在です。こんな素敵なご縁で結ばれた人が出来て感謝しています。

———絢音さんとマイさんは、お二人で中国旅行にも行かれたそうですね。

絢音はい、中国に2回行きました。英語が通じない場所も多かったので、マイちゃんの案内がなかったら、1人では絶対に行けなかったと思います。本当に貴重な経験でした。

中国・北京の紫禁城でのワンショット

———相部屋生活の中で、特に印象に残っている出来事はありますか?

マイ私の修士論文と絢音の卒業論文の提出時期が重なって、2人で一緒に作業していたことですね。

絢音ちょうどタイミングが重なって、2人とも「終わらない……」という状態で(笑)

———どのように過ごされていたんですか?

絢音机を横に並べて、ずっと作業していました。一人だと絶対に途中で寝てしまうけど、マイちゃんが隣で修論を書いているから「私もやめるわけにはいかない!」と思って頑張れました。

マイお互いにね(笑)。

絢音しかも、マイちゃんの書いた修士論文が優秀賞を受賞したんですよ!隣で書いているのをずっと見ていたので、相部屋の相方として自分のことのようにすごく嬉しかったです。

卒業式にて表彰を受けるマイさん(一番右)

留学生として感じた、日本のコミュニティのリアル

———マイさんは留学生として入寮されていますが、CHを選んだ理由を教えてください。

マイ初めての海外生活ということもあって、入寮手続きが簡単で、柔軟に入退去できる場所を探していました。そんな中で、知り合いの先輩に紹介してもらったのがCHです。東京学芸大学から近くて通学に便利なことに加えて、一般的なアパートのように居住期間の制限がなかった点※も、自分の希望に合っていました。

※チェルシーハウスは、1年ごとの更新で居住期間の制限はないし更新料もありません。

———入寮前、日本の学生コミュニティにはどのようなイメージを持っていましたか?

マイ上下関係が厳しいとか、細かいルールが多いというイメージがありました。

———CHに実際に住んでみて、その印象は変わりましたか?

マイはい、変わりました。相手との距離感を尊重しながらコミュニケーションをとる文化があって、そこが印象的でした。

———CHでの生活は、留学生活にどのような影響を与えましたか?

マイ日本語でのコミュニケーション力がすごく伸びました。CHに住んでいなかったら、今のようには話せていなかったと思います。

春節(旧正月)の時、マイさんがリビングふるまってくれた中国のおせち料理

居住者から運営側へ。インターンで見えたこと

———絢音さんは、CHを運営するLEGIKAのインターンに参加してコミュニティ運営に携わられたと伺っています。どのような経緯で参加されたのでしょうか?

絢音CHでの生活がすごく楽しくて、「こういう場所を今度は自分が提供したい」と思ったのがきっかけです。代表の方にその話をしたときに、「コミュニティづくりをやってみないか」と声をかけていただいて参加しました。

———実際に関わってみて、見え方は変わりましたか?

絢音変わりました。インターンでは、別の学生寮のお手伝いをしたのですが、そこは食堂があって食事が提供されたり、寮長さんがいたり、ルールもかなり整っていて、すごく“学生寮らしい学生寮”だったんです。

———かなり雰囲気が違いそうですね。

絢音そうですね。共用部もすごくきれいで、正直うらやましいと思う部分もありました(笑)。ただ、その分、CHの良さも改めて見えてきました。

———たとえば、どのようなところでしょうか?

絢音一番は、長く住めることだと思います。2年で出るといった制約がないので、3年、4年と過ごす中で、人との関係をじっくりと築けるんです。

それに、CHって毎年雰囲気が変わるんですよ。先輩がいて、後輩が入ってきて、去年のCHと今年でまったく違う空気になるというか。その変化を楽しめるのも魅力だと思います。

———他寮の運営に関わる中で難しさはありましたか?

絢音CHと同じやり方が通用しないことですね。寮ごとに状況が違うので、「今ここに必要なことは何か」を考えるのが難しかったです。

———やりがいを感じた瞬間は?

絢音イベントを通して、人同士の距離が縮まる瞬間を見られたときです。

———その経験は、今後の仕事にもつながっていきそうですね。

絢音そう思います。実は就職活動でも、ほとんどCHの話をしていました。もともとは別の分野に興味があったのですが、CHでの経験を通して、自分が働きたい方向が大きく変わりました。

最初はハウスメーカーの住宅営業として働く予定なのですが、将来的には学生寮のような集合住宅に関わる部署に行きたいと思っています。たとえば、CHみたいに、自然と人が顔を合わせる間取りってすごくいいなと思うので、そういう知見を活かせたらいいなと思っています。

人との関わりが、自分を変えていく

———CHで過ごした4年間を通して、ご自身の変化を感じることはありましたか?

マイ一番大きいのは、人との関わり方が変わったことだと思います。いろいろな性格や背景を持つ人たちと日常的に関わる中で、相手に合わせてコミュニケーションをとる力が自然と身につきました。あと、自分の立場によって接し方が変わることにも気づきました。先輩のときと後輩のときで、関係の築き方が違うんだなと感じるようになりました。

絢音私は、性格が丸くなったと思います。最初はすごく頑張りすぎていて、少し空回りしていた部分もありました。でも、CHには本当にいろいろな人がいて、どんな人でも受け入れてくれる空気があるんです。そういう環境の中で過ごすうちに、自然体でいられるようになりました。

「青春」と呼べる時間

———卒寮を迎える今、CHでの時間を一言で表すと、何になりますか?

マイ「青春」です。

絢音「かけがえのない時間」です。でも、「青春」がしっくりくる!

———なぜそう感じたのでしょうか?

マイ中国にいた頃から日本のアニメやドラマが大好きで、そこで見ていたような青春を、CHで実際に体験できたと感じたからです。

———特別なイベントではなく、日常が思い出になっているんですね。

絢音そうなんです。みんなでリビングで話したり、一緒にスーパーに買い物に行ったり、日常の何気ない時間が一番大切でした。

未来へのメッセージ

———今後やっていきたいことを教えてください。

絢音まずは働いて貯金をしたいです。その後のことは働いてから考えたいと思っています。CHで出会った人たちとは、これからも連絡を取り合って、縁を大切にしていきたいです。

マイ大学院を修了した後は、今研究している「リトミック」をもっと深めるために、その発祥の地であるスイスに留学する予定です。ヨーロッパで学んだあとには母国に戻って仕事にいかしていきたいと思っていますが、将来的には日本で働くことも視野に入れています。CHで出会った友人たちとも、これからも連絡を取り合っていくのが理想です。

———最後に、これからCHに入寮する方へメッセージをお願いします。

マイ後悔しないように、CHを思う存分楽しんでほしいです。やりたいことがあれば、全部やってみたほうがいいと思います。CHなら、きっとなんでもできると思います。

絢音殻を破って、ありのままの自分で楽しんでもらえたらと思います。楽しむことが何より大切だと思うので、ぜひ全力で楽しんでください!

———ありがとうございました!

(取材・文/松尾しのぶ)