「大学生にしかできないことがしたい」と思いチェルシーハウス国分寺(以下、チェルシーハウス)に入寮し、1年2ヶ月(2023年2月時点)が経過した津田塾大学2年・中野さん。
「とりあえずやってみよう精神」で得た多くの学びと、チェルシーハウスでしかできない経験の数々、今後やってみたいことについてお話をうかがいました。
大学生にしかできないことがしたい
── チェルシーハウスに入寮した理由を教えてください。
地方から上京して大学に進学するので、せっかくなら大学生にしかできないことをしたいと思って入寮しました。 大人になってから共同生活をすることなんてないと思ったので。
── そもそも、なぜ共同生活をしたいと思われたのですか?
チェルシーハウスに入寮したのは2021年の11月だったのですが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、大学の授業はすべてオンラインだったんです。
大学へはサークルのために週1回だけ行くくらいで、入学以来現地で授業を受けられず、ずっと実家にいました。
そんな状況は自分が憧れていた大学生のイメージとかけ離れていて、こんなはずじゃないとやりたいことを探した結果、「共同生活」に行き着きました。
大学時代に寮に住んでいた父の影響もあります。
── お父様も大学時代に寮にお住まいだったのですね! 当時のことをどのようにお話しされていましたか?
一生仲良くできる友達もできるし、わずらわしいこともたくさんあるけどそれもいい経験だと思うから、「寮生活は本当にいいよ」と父は話していました。
── 実際に寮生活を体験した親御さんのお話は、とても説得力がありますね。

チェルシーハウス運動会後の「アフター」
「何してんの?」の一言で、みんなで食卓を囲んでいた
── 実際に入寮して、感じたことをお聞かせください。
自分が寮生活にどんなことを求めているのか、明確なビジョンは持てないまま入寮したので、大きくギャップを感じることはありませんでした。
私は自分で友達関係の距離を調節したいタイプなので、一緒に住んでいると強制的に距離が近くなっちゃって困る時もありますが(笑)。
そういうのも含めて、学生でしか経験できないことという感じがして楽しいです。
── 入寮後、特に印象に残っている出来事はありますか?
例えば、リビングで2人でご飯を食べている時に、みんなが普通に会話に参加することにびっくりしました。
私は、食事はみんなで一斉に「いただきます」をして成立するものだと思っていたんです。 でもチェルシーハウスの場合、「何してんの?」と声をかけてそのまま会話に参加するのが普通で、気づけばみんなで食卓を囲んでいるんです。
「何してんの?」の一言で人の輪に入っていくのってすごいことだと思うのですが、今では私も普通にやっているなと(笑)。 これはチェルシーハウス特有の文化の一つだと思います。
── 気負わず自然に人の輪ができることが、チェルシーハウスの魅力ですね。
チェルシーハウスは、学んだことを“お裾分け”し合える場
── 入寮前と後で、チェルシーハウスのイメージは変わりましたか?
入寮前は、チェルシーハウスを運営することが大学生活の軸になっている人がたくさんいるのかな? とイメージしていました。
もちろんそういう人もいますが、今は外で学んできたことを“お裾分け”し合える場所なのかなと思うようになりました。
── 「学んできたことをお裾分け」とはどのようなことですか?
チェルシーハウスには、大学の学部選択をする時点で既に面白い経験をしている人がたくさんいます。 その人たちの人生哲学を聞いていると、自分にはない感覚や足りないことを知ることができるんです。
普通に大学に通っているだけでは聞けない込み入った話も、チェルシーハウスなら聞いてもいい雰囲気がありますね。
「とりあえずやってみよう精神」で行動のハードルを下げる
── 入寮して、学べたことはありますか?
大学生でいられる時間は本当に短くて、もったいないから何かやらなきゃ、と思うようになりました。 何かに一生懸命な人たちを見ていると、チェルシーハウスや大学以外でも何かできることってたくさんあるな、って。
── 影響を受けて、実際に行動が変化しましたか?
今でも大きな決断ができているわけではないですし、元々怖がりなのですべてにおいて実行できているわけではないですが、どうしようか迷ったら、とりあえずやってみて考えるようになりました。
例えばチェルシーハウスの先輩に、夜中にみんなでカラオケ行こうって誘われたとして、「明日一限あるしめんどくさい…けど行ってみるか、大学生だし…」みたいな(笑)。
── 大学生らしい、アクティブなエピソードですね(笑)。
はい。日常の中のちょっとした選択を迫られる場面で、「とりあえずやってみよう精神」が芽生えたのは自分にとって大きな成長です。

寮生同士での外出も盛ん
「私が楽しいこと」であればそれば正解なのかも
── 中野さんにとって、チェルシーハウスはどういう場所ですか?
正解がたくさんある場所だと思います。
チェルシーハウスに入寮して、人生には色々な選択肢があることを学びました。
これまでは、
「人生の正解 = いい大学に入学してストレートで大きな企業に就職して、結婚すること」
みたいに考えていたんです。
でもチェルシーハウスには、休学している人、浪人して全く違う方向に進んだ人、留学する人、大学院に進学する人、大学生活を一年伸ばしてみた人など様々な人がいて、でも全員どうにかなっているし、楽しそうで(笑)。
正解ってなんだ? と思うようになりました。
── 今、中野さんにとっての正解とはなんですか?
なんとなく流されるんじゃなくて、私がちゃんと選んだ「私が楽しいこと」であればそれが正解なのかも、と思うようになりました。
──そう感じられるようになるまでに、きっかけはあったのでしょうか。
「ちょっとやってみようかな」の積み重ねだと思います。
やってみて、「失敗しちゃったな、まぁしょうがないな」と思うことはあっても、死ぬほど後悔していることはないんです。
自分が選択したことの結果なら仮に失敗したとしても不正解だったとは言い切れなくて、楽しかったらある意味正解かなと。
この考えもまだ正解じゃなくて、経験を積み重ねていくうちにまた違ってくるかもしれませんが(笑)。
── 正解がわからなくなるということは、成長していることの証だと思います! そんな中野さんが、今後やってみたいことを聞かせてください。
今後やっていきたいことは就活です。というのは半分嘘ですが(笑)。
自分について悩む時間を作らないとなぁと思っています。
去年は「とりあえずやってみる精神」で悩む暇もなく色々なことに手を出した結果、キャパシティオーバーしそうになる一年でした。 ですがそのおかげで少しずつ自分にとって楽しいことや苦手なこと、嫌なことがわかってきました。
今年は自分が好きなことや嫌いなことを言語化する一年にしたいです。 そのためにも、一番身近で、自分に忌憚のない意見をくれるチェルシーハウスのみんなに協力してもらおうと思っています。
人の数だけある“正解”に触れ、自分を築き直したい人へ
── どんな人にチェルシーハウスをすすめたいですか?
私のように地方から東京に出てきて、大学生活何しようかな、大学生の時にしかできないことをしたいと思っている人におすすめしたいですね。
あとは話し好きの人とか、経験のお裾分けをしたいと思う人ですね。
自分ではすごいと思っていた経験も、話してみることで井の中の蛙だったと気付かされたり、相手の方が断然すごかった! と自信を打ち砕かれたり(笑)。
そういうのもいい経験で、面白いと思います。
── 最後に、入居を検討中の方に一言お願いします!
チェルシーハウスは「家」なので合わないと思えば出られますし、大学よりハードル低いですよ!(笑)
気になっていたら、とりあえず入ってみたらいいと思います!
── ありがとうございました!

チェルシーハウス運動会後の集合写真
(取材・文/松尾しのぶ)