「今、悩んでいるんですよね」と言ったら、寮生に「いつになったら抜け出すのか」と逆に聞かれて。
(2015年当時のインタビュー内容を原文のまま載せております)
今回の寮生紹介は、8月からタイに留学する明治大学政治経済学部3年の野崎晃公哉さん。
退寮前日に、チェルシーハウスに住んでいたことを振り返ってもらいました!
Q どうしてタイに留学しようと思ったのですか?
もともと海外営業に興味がありました。
中でも東南アジアに進出している日系企業が一番成長している国が、タイだと聞いたからです。
1年生の頃1カ月ベトナムに行った経験や、大学でJICA出身の先生のゼミに入って勉強していることも影響しています。
留学を決める前までは、そもそも留学すべきかどうかで悩んでいました。
その当時取り組んでいた学生団体で良い結果を出していたので、リーダーポジションに居続けるか、それとも留学するか、決められなかったからです。
そんな悩みをチェルシーハウスの寮生に聞いてもらいました。
寮生の中には就職が決まっていたのを蹴って、世界一周に出ちゃうような人もいましたから(笑)。
その人に「今、悩んでいるんですよね」と言ったら、「いつになったらそれから抜け出すのか」と逆に聞かれて。
「2か月後ぐらいですかね」とよくわからないまま答えると、「じゃあどうして2か月後には抜け出せたと感じるのか、その時の状態をイメージして理由を考えてみよう」と言われました。
一見哲学みたいなやり取りですが、自分の悩みを認知することが問題解決の決め手になりました。
アドバイスに沿って、悩みを抜け出している視点で考えたことが、留学に結びついたのだと思います。
他には、相談した寮生が実際に留学経験のある人を3日後に連れて来てくれました。いろんな人と話す中で、留学が実体を持ったものになりました。
時間はかかったけれど決断できたのは、いろんな人からもらったアドバイスのおかげだと思います。
メンターさんやキュレーターさんと話したり、2コ上・3コ上の人生経験豊富な人に話を聞いてもらいました。
今までいたコミュニティではいなかった人たちに会え、具体的なイメージをもつことができました。
大学や学生団体とは違うコミュニティに所属することで、考え方を比較することができたんだと思います。
Q 大学や学生団体とは異なるとのことですが、チェルシーハウスは特殊なコミュニティでしょうか?
学生団体のコミュニティって、そこに集まる人たちだからどうしてもカラーが似通ってしまう気がします。
そこから抜け出して、自分と違う価値観の人に出会いたかった。
チェルシーハウスは特殊と言うか、バラエティに富んだコミュニティだと思います。
大学・境遇・専攻が違う人と同じくらいの男女比で関わることができ、社会人とも定期的に交流できますね。
年上から学ぶことができるのも、大きな魅力の一つです。
また同時に、同期の学生と交流できたのもとてもプラスでした。
「同じ年のやつでもこんなに考えていることが違うんだ」と思うことがよくありました。
Q 「晃公哉くんはチェルシーに入って変わった」と寮生から聞くことがありますが(笑)、自分で変わったと思いますか?
変わったというよりも変に気を遣わなくなったのだと思います。
去年の夏ごろまでは学生団体と大学でとても忙しかった。
チェルシーハウスにも帰って寝るだけで。
慣れないうちはリビングに行くのも恥ずかしかったです。
家に帰ってまで気を遣うのは嫌だと思っていたから、わざわざ外食して帰ったりしていました(笑)。
でも9月頃から同期が入ってきて話しやすくなり、自分からアクションを起こさないともったいないと思って、多く寮生と接するようにした点が、他の寮生からみた変化なのだと思います。
Q 共同生活で一番大事だと思っていることは何ですか?
想像力だと思います。
思いやりだと言い過ぎかな。
みんなそれぞれやりたいことがあって入ってくるわけだし。
「これをしたらこの人はどう思うかな」と想像を働かせることが、結構大切だと思っています。
Q 確かに、想像力をもつことは、チェルシーハウスのようなコミュニティではとても大切だと思います。それをふまえた上で、チェルシーハウスに入ることのメリットは何だと思いますか?
サークルだとなんとなくただ馴れ合って終わってしまうことが多いと思います。
チェルシーに入ってひとつ屋根の下で同じ飯を食べて話すことができたのは良かったです。
くだらない話からまじめな話まで、自分が思っていることを言葉に置き換えることで、思考が明確になっていきます。
自分の考えをはっきりしたものにしていくこと、寮生と踏み込んだ話ができることが、チェルシーのいいところです。
Q チェルシーハウスをすすめるとしたら、どんな人におすすめですか?
好奇心の旺盛な人は絶対入ったほうがいいと思います。
逆に、大学生活がなんにも充実していないという人にもおすすめです。
チェルシーハウスには本も人もたくさんあるからそれだけ多様な影響を受けると思うし、
多くの人や可能性と接することで大学生活に意義を見出せると思います。
インタビュアー:ひかるん(大島 ひかる)
津田塾大学学芸学部国際関係学科在学中。焼き鳥はぼんじりが好きです。