「“挑戦”が“自信”になるポジティブな循環は、チェルシーハウスが積み上げてきた楽しい歴史のおかげ」
そう語るのは、コロナ禍で人とつながりを求め、大学2年生の春にチェルシーハウス国分寺(以下、CH)に入寮した中野さん。
3年間の寮生活で、寮生が代々受け継いできた“思いやり”や、相部屋ならではの特別な関係を経験しました。
また、自ら主導して地域住民との交流イベントを成功させるなど、寮生活にとどまらず挑戦を通じて成長を遂げました。
そんな中野さんの体験を通じて、CHの魅力をご紹介します。

寮内のイベント運営などで運営委員会として積極的に参加しました。
寮内のイベント運営などで運営委員会として積極的に参加しました。
受け継がれる“思いやり”と“配慮”
———中野さんがCHに入寮を決めたきっかけを教えてください。
大学1年生の時は一人暮らしをしていましが、新型コロナの影響でリモート授業が主流になり、人と交流する機会がほとんどありませんでした。
「もっと人と関わりたい」と思っていたところ、仲の良い友人からCHを紹介され、入寮を決めました。
———CHのどんな点に惹かれましたか?
住民同士の仲が良さや、友達がたくさんできる環境に魅力を感じました。
また、イベントが豊富な点も魅力的でしたね。
———実際に入寮してみて、どのように感じましたか?
想像以上に秩序が保たれていました(笑)。
快適に暮らしたいという想いから、みんなが自然に配慮し合い、合理的なルールができている印象です。
たとえば、「夜遅い時間はリビングで騒がない」「炊飯器のご飯は3時間以上放置しない」「シャワーの使用時間をボードで共有して待ち時間を減らす」など、工夫されています。
“苦手”と“好き”の間にグラデーションを
———一方で、少し戸惑ったことはありましたか?
想定していたよりも、自分には理解することができない人もいるんだな、ということです。
具体的には、寮内で周囲への配慮に欠ける行動を続ける人が稀にいて……。
ですが、私が相手のことを理解できないのと同様に、相手も私のことを理解できないだろう、とも考えられます。
他人と暮らすことの難しさを実感しました。
———そのようなとき、どのようにして乗り越えたのですか?
以前の私は「理解できない人を拒絶する」スタンスでした。
でも同じ空間で暮らしている以上、相手を拒絶してしまうと周囲にも気を使わせてしまいますし、結果的に自分にも負担がかかることに気づきました。
そこから、他者を受け入れる姿勢を意識するようになりました。
———他者を受け入れるため、心がけていることはありますか?
その人に苦手な部分があったとしても、良い部分を見つけるようにしています。
そして、それを少しずつ自分の中で馴染ませて、自然に受け入れられるようにしています。
「苦手」と「好き」の間にグラデーションを作るイメージです。
“挑戦”が“自信”になるポジティブな循環
———CHに入寮したことで、ご自身にどのような変化がありましたか?
社交性や積極性が向上したと感じています。
CHでは、自分から積極的に発信をすると、多くの人が興味を持って話を聞いてくれます。
また、何かイベントを企画したいと提案すれば、賛同して一緒に行動してくれる人がたくさんいます。そうした環境で成功体験を積み重ねるうちに、自信がつきました。
———CHのみなさんの積極性や行動力は目を見張るものがあります。その原動力はどこから来ているのでしょうか。
これまでCHが積み上げてきた楽しい歴史のおかげだと思います。
その歴史があるからこそ、今の寮生も新しいことにどんどん挑戦できますし、その挑戦が自信を生み出し、また新たな活動につながっていく。
CHには、そうしたポジティブな循環があると感じています。
互いの思いやりが五分五分 = “価値観が合う”ということ
———相部屋の生活はいかがでしたか?
3年間で2人のルームメイトと生活をしまして、1人は3歳年上のお姉さんのような存在、もう1人は3歳年下の妹のような存在でした。
毎日が修学旅行のようで、夢のように楽しかったですね。
2人だけに通じる独特のノリがあって、毎日のように爆笑していました(笑)
———相部屋生活で特に大切だと思うことはなんですか?
私の経験では気になるようなことはありませんでしたが、「思いやり」が大切だと思います。
その上で、思いやりの気持ちの大きさが五分五分じゃないと住みづらいだろうなとは思いますね。
たとえば、一方が一方的に気を遣いすぎる状況だとストレスを感じやすくなります。
そのバランスがちょうどいいとお互い快適に暮らせますし、それが「価値観が合う」ということなのかなと思います。
———相部屋と一人部屋で悩んでいる人に、相部屋の魅力を教えてください。
相部屋ならではの特別な関係が築けることですね。
私の場合、すごく仲の良い友達は他にもいて遊びに行くことは多いですが、相部屋のルームメイトとはほとんど外出しませんでした。
それでも彼女たちは家族みたいな、友達よりももっと近い、自分の中にいなくちゃいけない存在です。
人生でそんな特別な関係性を持てる人が1人でもいることは、とても面白い経験だと思います。
夢に向かってステップアップできる環境
———中野さんにとって、CHで印象に残っているイベントについてお聞かせください。
一番印象に残っているのは、私が主導して企画したお祭りイベント「来て!チェルシーに!」です。
このイベントは、チェルシーハウスがどんな場所なのかを地域の皆さんに知ってもらい、関係を深めることを目的に開催しました。
———寮内だけでなく、地域の方々とも積極的に交流されているのですね。どのようなアクティビティを用意されたのですか?
CHには地方や海外出身の寮生もいるので、その特色を活かしました。
たとえば、各地のクイズを解いてコインを集め、それを地方のお菓子と交換できるすごろくとか。
他にも、スライム作りワークショップ、ゴルフブースなど、さまざまな催しを企画しました。
———CHらしさが詰まった素敵なイベントですね。地域の方や寮生の反応はいかがでしたか?
目標としていたのは60人の来場でしたが、実際には約120人の方が参加してくださり、驚きました。
イベントを通じて、CHがどんな場所か、そして地域の皆さんと仲良くしたいという想いをしっかり伝えられたと思います。
このイベントは「やりたい!」と声を上げてから実現するまで時間がかかりましたが、多くの寮生が協力してくれたおかげで成功しました。
本当に忘れられない思い出です。
———この経験を、今後の人生にどのように活かしていきたいですか?
人を楽しませるイベントを自分で企画して実現するのが夢で、東京の大学を選んだのもそうしたチャンスが多いと思ったからなんです。
CHでは小規模な目標を達成させてもらったので、今後は就職先でより大規模なイベントを手がけていきたいと考えています。
———自分の夢に向かって着実に進んでいる姿が素敵ですね!
偶然出会ったCHが、夢に向かってステップアップできる環境だったことは本当にラッキーでした!
家族でも友達でもない、特別な関係
———中野さんにとって、CHはどのような場所でしたか?
私にとってのCHは「夢」に近い存在です。
叶える方の夢ではなく、夢うつつのような……どこか非現実的で素敵な時間という意味で。
おそらく二度と体験できないような、特別な3年間を過ごさせてもらいました。
これからの人生で、何度も振り返ることになると思います。
———CHはどんな人におすすめですか?
友達でも家族でもない、特別な関係の人たちと特別な時間を過ごしたいと思う人におすすめです。
とにかく楽しい場所で、人生でまたとない経験ができます。
学生の間にしか味わえない特別な体験を求めている人におすすめの環境です!
———ありがとうございました!
(取材・文/松尾しのぶ)