日常の何気ない瞬間の全てが一番の思い出になる、相部屋生活の魅力とは

寮生東京造形大学 大学院1年 夏さん /明治大学 3年 絢音さん

チェルシーハウス国分寺(以下、CH)の相部屋で生活を共にする夏さん(大学院1年生)と絢音さん(大学3年生)は、ほぼ初対面から意気投合。相部屋生活を始めて2年目となりました。CHに入寮した動機は異なるお二人ですが、今では「相部屋で過ごす日常の何気ない瞬間が一番の思い出」と語ります。

そんな夏さんと絢音さんに、CHの相部屋生活の魅力について聞きました。

PROFILE
東京造形大学 夏さん
明治大学 絢音さん
東京造形大学 夏さん
明治大学 絢音さん

せっかくのチェルシーハウスだから、思い切って相部屋を選んでみた

———CHに入寮した理由を教えてください。

絢音様々な人と出会えるところが魅力的だと感じたからです。

私の母の知り合いにCHの卒寮生がいて、母から「私が若かったら絶対ここに行きたいから、あんた行きな!」と勧められたからです。

——— 相部屋を選んだ理由をお聞かせください。

絢音人間が好きなので、誰かと一緒に住んでみたいという気持ちがありました。

どちらかといえば消極的な性格なので、寮で知らない人たちと暮らすのはどうだろう……と不安を感じていました。

ただ、そんな調子で1人部屋だったら絶対に部屋から出なくなりそうだし、それではCHにいる意味がないなと思ったので、思い切って相部屋にしました。

———夏さんと絢音さんは、前の相部屋相手が退室したタイミングが同じだったこともあり相部屋になったとのことですが、元々交流はありましたか?

絢音元々はそんなに面識はありませんでしたが、私が入寮してから1年間相部屋だった方が卒業されるという時に、夏と一緒にご飯を食べる機会があったんです。

ほぼ初対面なのに会話のテンポが合ったので、仲良くなれそうだなと感じました。

私は入寮して5年目で、相部屋の相方は4回くらい変わっているのですが、絢音ちゃんと初めてご飯を食べたときに、絢音ちゃんはすごく明るくて人懐っこくて、相部屋生活に求めていた人そのものだと思いました。
なので、私から「よかったら一緒の部屋にならないか」とお誘いしました(笑)

そしたら絢音ちゃんも全然いいっすよ!ってめちゃめちゃノリよく返してくれて、今に至ります。

日常の何気ない瞬間の全てが一番の思い出に

——— 相部屋で過ごしたことで、変化や成長を感じたことはありますか?

絢音私は自分の失敗を人に話すのが苦手で、一人で抱え込むことが多かったんです。

マイナスな話をしたら、その人までマイナスな気持ちにさせちゃうんじゃないかなと思って……。

でも夏は、自分の失敗談をすごく面白い話にして聞かせてくれるんです。

私だったらすごく落ち込んでしまいそうな話でも、明るく「やっちまったぜ!次から気をつけたいぜ!」って。

そんな夏の話を聞いていて、これからは私も失敗して落ち込んでしまいそうな時に、素直に言葉にして前向きになれるようにできたらいいなと思います。

私が自分の失敗をちょっと笑い話にして人に話すのは、話を聞いてもらうと言う目的もありますが、私の話で絢音ちゃんに笑ってほしいからです!

そんな絢音ちゃんから学ばせてもらったのは、人との接し方です。

人懐っこいところもそうですし、話がまとまっていてわかりやすいことや、言葉選びが上手なところとか……。

一緒に過ごしていると絢音ちゃんみたいになりたいなと思うことが多くて、大いに学ばせてもらってます。

——— 約1年の相部屋生活を振り返って、印象的だったことはありますか?

絢音3月に開催された卒寮生を見送る会で、在寮生として見送りの言葉を考えたんですね。その時に、卒寮生に宛てて書いていたつもりが、なぜか夏のことを考えて書いていました。

いつも夏が言ってくれる「おやすみ」だったり「おかえり」だったり、そんな日常のやり取りばかりが思い出されて……。

もちろん、一緒に江ノ島に行ったり美術館に行ったりした思い出もあるのですが、日常の何気ない瞬間に、いつも夏がかけてくれる言葉が私にとって一番の思い出かもしれません。

私も、美術館やディズニーみたいなお出かけも思い出深いのですが、近所のスーパーに二人で連れ立って買い物に行くみたいな日常が一番の思い出です。

帰ってきて一緒に夕ご飯を作って、絢音ちゃんの味噌汁がすごく美味しくて、うわー!みたいな瞬間がいいなって。

普通の友達とのお出かけだと帰りは別々になりますが、一緒の寮で同じ部屋に住んでいるから最後まで一緒にいられて、部屋でくつろぎながら楽しかったねって言ってる。その瞬間が私にとって一番の思い出なので、これからも増やしていくつもりです。

江ノ島行きの車内。夏さんのカメラで、2人の思い出をたくさん撮影。

——— お二人にとって、お互いはどんな存在ですか?

絢音ちゃんはまさしく相方だと思ってます。
部屋で一緒にいるときは本当に自然体でいられて、お洋服を着替えて「この服どう思う?」って聞いてみたり、多少ベッドの上が散らかっていても笑い話にできたり。

姉妹というよりもやっぱり相方、でも今改めて言葉にするのは難しいですね。

絢音家族じゃないんですけど家族みたいな、友達以上で家族でもない特別な相棒みたいな言葉がぴったりくるなと思います。

普通の友達みたいに一緒に遊ぶこともありますが、それ以上に生活を共有しているので、私は最近の夏だったら、きっと夏の家族よりも知っている自信があります。それに、きっと夏も私のこと誰よりも知ってるだろうなって。

殻に閉じこもらなければ、自分のやり方で成長できる場所

———CHでの経験を踏まえて、目標や夢はありますか?

絢音卒業後の進路とはまた別ですが、CHがすごく楽しいので将来的に学生寮の運営に関わってみたいという気がしています。

学生の時に色々な人と出会えたことが自分は嬉しかったので、寮に限らずカフェとか古本屋とか、学生たちが集まれる場所を作っている団体などにボランティアするのもいいかなって。

これはCHに入らなければ絶対に思わなかったことですね。

少しでも一緒にCHで暮らした人達とは繋がりを感じるので、卒寮してもたまに集まってお茶できればいいなと思ってます。ふわっとしていますが(笑)

絢音全然いいこと!大事だよね。

あと、CHには過去の寮生が残してくれた手作りのピザ窯があるんですけど、そういう設備的なものを残していけたらいいですし、それをみんなで一緒に作れたらもっと楽しいだろうなとも思っています。

左:雨の江ノ島道中。夏さんからのプレゼントのお揃いのピアスと共に。右:夏さんはアースラ、絢音さんはアリエルをイメージした服装でリトルマーメイド鑑賞。

——— CHをどんな方におすすめしたいですか?

絢音色々な人が集まっているのでどんな人にもおすすめですが、一つお伝えするとすれば、自分の殻に閉じこもらないことが大切です。

誰しもプライベートはありますし、全部を人に見せる必要はありません。

ですが、あまりにも部屋から出てこなかったり、イベントに参加しなかったり、わざと人と時間をずらして生活するようなことをしちゃうと、CHの良さを感じられなくなってしまいます。

それに、他の寮生もどういう風に接して良いのかわからなくなってしまうので……。

CHは、プライベートと公の場を自分の中で上手く分けることのいい練習になります。

閉じこもらずにいれば、どんな人でも自分なりに成長できるんじゃないかなと思います。

私は入寮して1、2年間くらいは引きこもってたんですけど(笑)

やっぱり自分から人に話しかけることがCHを楽しむコツだと思うので、一瞬臆してしまう気持ちはわかるのですが、そこで一歩踏み込んで自分から交流できるような人におすすめしたいです。

「カップルをディズニーで撮影したい」夏さん提案の元、絢音さんカップルを撮影したときのヒトコマ。

——— 最後に、改めて相部屋の良さをお聞かせください。

あれです。いつか恋人と同棲する時の練習にも!という感じですね(笑)

まずはCHのような相部屋で暮らしてみて、全く違う環境で育った人と暮らす練習をしてみるのもいいと思います。

絢音私は夏との生活が楽しいっていうこともあるので、「相部屋は楽しい」の一言に尽きるなと思います。かけがえのない時間が過ごせるという意味で、すごくおすすめです。

——— ありがとうございました!

(取材・文/松尾しのぶ)