人生や環境は自分が選べる。大切なのは「自分自身がどう過ごしたいか」

卒寮生津田塾大学4年 伊藤さん 

「自分が動かないと何も始まらない」

そう語る伊藤さんは、チェルシーハウス(以下、CH)で旅行や運動会といった様々なイベントをはじめ、全寮生が集いフランクに話し合う「チェルシーナイト(寮生会議)」の開催など、寮の運営に積極的に関わってきました。

昨年の卒寮式では涙ながらに卒寮生を送り出し、今年は自分が見送られる立場となった伊藤さんに、CHの魅力と学びについて聞きました。

PROFILE
伊藤さん
津田塾大学4年

全員と仲良くなれる、ほど良い規模が理想的

———チェルシーハウスに入寮した理由を教えてください。

高校時代に1年間カナダに留学して、ホームステイや学生寮のようなところで暮らしていました。

そこでの学びが多かったことと、1人は寂しくて苦手ということもあって、大学生になって上京する際も学生寮での生活を選びました。

他の学生寮も検討しましたが、入居者数が少なすぎたり多すぎたりして……。CHのように40人から50人程度の、全員と仲良くなれる、ほど良い規模が理想的でした。

様々な大学の学生がいて、性別の垣根もない環境も決め手です。

———入寮した当時に感じたことをお聞かせください。

私がCHに入寮した当時は、カオスな環境だったなと思います(笑)。

24時間誰かしらが起きていて、夜中に散歩に誘われたり、徹夜で話し込んだりすることもよくありました。

あと、キッチンや玄関など共有スペースが散らかっているというのも、ある意味新鮮な体験でした。

———学生の共同生活ならではの環境ですね。伊藤さんが卒寮された現在(2024年3月現在)はどのような環境したか?

今は入居者の入れ替わりや働きかけによって、以前に比べてきれいです。

CHは寮生の雰囲気や特性によって、寮内の雰囲気が大きく変わりますね。

現在の寮生は良い意味でみんないい子で、秩序が保たれています。言い換えれば私が入寮した当時のような活発な雰囲気ではなく、静かで大人しい印象です。

———寮生の入れ替わりに伴い、環境が変化するのもCHの特徴なのですね。

私は長く住んでいたので、カオスな環境も落ち着いた状況も経験しましたが、結局は「自分がどう過ごしたいのか」が大切だと思います。

人がいて安心感を得られるのも、汚いのは嫌だなと感じるのも、全部自分次第。

そう考えていたので、私はどの時期もどの環境もすごく楽しめました。

他人を通して自分を見つめ直す

———CHでの交流で、得られたことはありますか?

CHでは常に誰かとの関わりがあるので、他の人のことを考えることが多いと思いきや、意外と自分自身について考える機会もたくさんありました。

誰かと過ごしていると、楽しいと感じたり嫌だと感じたり、自分の中で様々な反応が生まれます。

そして、自分はなぜ楽しいと感じたのか、他のみんなは平気そうなのになぜ自分は不満に感じたのかなど、突き詰めて考えることが、自分自身を見つめ直すきっかけになったと思います。

———人間関係について、心がけていたことはありますか?

他人の言動の良し悪しを決めつけずに接するよう心がけました。

世の中には全く同じ人は存在していなくて、1つの出来事に対する捉え方もみんな違います。

表面的なことで人を判断して嫌いになったり遠ざけたりするのはもったいないですし、他人を自分の尺度でジャッジしないということは、CHでの経験を通して変化した価値観です。

———CHをより楽しむために、意識すると良いことはありますか?

人は何か問題が起きた時に、環境のせいにしたり他人を責めたりしがちですが、それでは誰も幸せになれないし進展もないと思います。

例えば、CHと聞くと入寮するだけで楽しくって、いるだけで素敵な仲間ができると思う人も多いのですが、CHはただの“住まい”です。

その中で、どう過ごすかは自分次第。

過ごし方を提供してくれるわけではないので、自分が楽しみたいのなら行動しなきゃいけないし、何かを改善したいなら自分で改善していくしかありません。

やっぱり、「自分自身がどう過ごしたいか」を決めることが一番重要だと思います。

———伊藤さんは相部屋も経験されたとのことですが、印象的だった出来事をお聞かせください。

半年間の相部屋生活はとても楽しくて、濃密な経験でした。

相部屋の相手が1歳年上のお姉さん的存在だったのですが、元々他人に頼ることが苦手だった私が、彼女と生活をする中で人に助けを求めることができるようになったんです。

彼女と友達以上家族未満のような関係性を築くことができて、初めて自己開示できたのだと思います。

家族以外に頼ったり助けを求めたりできる存在ができたというのは、私にとってとても大きな成長であり変化でした。

コミュニティや仲間とのつながりをより良くしたい

———CHでの生活に、何か目標や目的を持っていましたか?

最初はとにかく人と関わりたいという思いでしたが、次第に自分が好きだと感じるCHというコミュニティや、仲間とのつながりをより良くしていきたいと考えるようになりました。

それからはみんなが寮生活を楽しく過ごせるように、「みんながお互いのことを尊重して行動し合える寮にしたい」という目標を持って過ごしていました。

———実際に、どのようなことに取り組まれましたか?

寮内のイベントには運営メンバーとして関わることが多かったです。

旅行や運動会などの大きなイベントの運営をしたり、チェルシーナイトという寮生が集まってフランクに話し合う寮生会議を開いたりしました。

あと、問題が起きた際にもできる限り話し合いの場に加わるなど、寮全体に積極的に関わりました。

CHの定例イベント「運動会」でも運営事務局を担当

———特に印象に残っているイベントはありますか?

ある廃校になった小学校にみんなで泊まったのが本当に楽しくて、これが一番の思い出ですね。

卒業シーズンの旅行で、卒業する先輩方の学生生活最後の旅行でやり残したことを全部やってほしいという想いで計画しました。

現地にアクティビティが用意されているわけではないので、卒業していく先輩に楽しんでもらうためにはどうしたら良いだろうかとみんなで話し合ったり、1日のスケジュールを企画したりしたのが本当に印象に残っていて。

一緒に行ったメンバーにすごく楽しい時間だったと言ってもらえたのが嬉しくて、一番印象に残っています。

———伊藤さんは昨年の卒寮式にも運営側として参加されていたとのことですが、その時の様子はいかがでしたか。

運営する側として参加した去年の卒寮式では、めちゃくちゃ泣いてしまいました。

卒寮する寮生のご家族からの手紙を集めて楽しい雰囲気にしようと自分で企画したのに、私の涙でしんみりとした会になっちゃって(笑)。

———伊藤さんが心を込めて卒寮生を見送られたことが伝わります。そして今年は伊藤さんが送られる側でしたが、どういったお気持ちでしたか?

CHは出会いと別れがたくさんありますが、実際に私が卒寮する立場になると、これまでに一緒に過ごした時間や楽しくて大事な思い出があるから、離れても大丈夫だという気持ちになりました。

でも後輩の子は結構泣いていたので、少し心配ではありますね。

次は上級生としてCHを引っ張る立場になるので大変なこともあると思いますが、頑張ってほしいですし、その姿を見られたら嬉しいです。

自分の人生や環境は自分で選べる

———今後はどのような自分でありたいですか?

自分の人生や環境は自分で選べるということを学んだので、どんな自分でありたいのか立ち返って、自分がなりたい自分を貫き通したいです!

———卒寮後にやっていきたいことを教えてください。

新卒で人事として配属されることが決まったので、次のステージでも組織やコミュニティをどうしていくのかということを考えていきたいです。

———伊藤さんにとって、チェルシーハウスを一言で表すとどのような場所ですか?

「宝物」です!

みんなには、本当に感謝しかありません。

———最後に、入居を検討中の方にメッセージをお願いします!

CHを楽しむためには、「自分がどうしていきたいのか」が一番大切です。

環境は自分自身で作れるし、自分がどうありたいかも自分が選べます。

ですので、CHという環境に挑戦したいと思う方であれば、どんな方でも楽しめます。

似た考えの人ばかりが集まってもCHというコミュニティがアップデートされないので、色々な人が集まる環境であってほしいという思いを込めて、誰でもウェルカムです!

———ありがとうございました!

(取材・文/松尾しのぶ)