チェルシーハウス国分寺(以下、チェルシーハウス)で相部屋生活を送る、朝倉さんと三浦さん(共に大学4年生)にお話をうかがいました。
チェルシーハウスでの相部屋生活は、お二人の人生にどのような影響を与えたのでしょうか。相部屋を選んだ理由や、相部屋で暮らす中で感じたこと、ご自身に起こった変化や成長について、深掘りします。
法政大学 三浦さん
法政大学 三浦さん
大学生だからこそできる“相部屋”の経験を
———チェルシーハウスに入居した理由を教えてください。
朝倉共同生活をしてみたいと思ったのがきっかけです。
一人暮らしをしようと考えたときに「寮」が選択肢の一つとしてあって、かつ相部屋あったのでチェルシーハウスを選びました。
三浦私は元々地方の出身で、東京にすごく憧れがあったんです。
東京に行ってたくさんの刺激や影響を受けてみたいという想いがあって、いろいろな大学生と交流できるチェルシーハウスに入居しました。
———チェルシーハウスでは相部屋か個室かを選べますが、なぜ相部屋にしようと思ったのでしょうか?
朝倉相部屋を経験できるのは大学生までかなと。あと、全く知らない人と同じ部屋にいるって面白いかなって。
一人暮らしは社会人になってからでもできるので、1回相部屋を経験してみようかな、という感じでした。
三浦上京してくるタイミングでいきなり一人暮らしをするよりも、誰かが一緒にいるという空間があるだけで、少し気持ちが楽になるという面もありました。
———お二人が初めて対面した時、どのように感じましたか?
朝倉入居する前にチェルシーハウスの人から、「こういう子と同室だよ」と聞いていたのでイメージをしていました。初めて対面した時は、(三浦さんは)優しそうな人だなと感じました。
三浦私が帰省しているタイミングで朝倉さんが入居したので、私が後から入室する形になったんです。その時朝倉さんはパソコンを操作していたので、賢そうだなという印象を抱きました。
“真面目な話ができる関係性”を築くコツとは
———お二人は部屋ではどんな会話をされるのですか?
朝倉結構真面目かも(笑)。
三浦お互いの悩みとか考えとかを、話すことが多いと思います。
朝倉“話すぞ”となったときは、どちらかが話し始めて…。
三浦止まらなくなる(笑)。
朝倉ずっと会話し続けているのではなくて、会話の時間を“設ける”というイメージです。
今日これを話そうとか、聞きたい内容を決めていて、「今いけるかな?」というタイミングで話しかけています。
———会話の波長を合わせるのに、最初は苦労しませんでしたか?
朝倉1回目に話した時に、とても真面目な話をしたんです。そこでお互いの話の仕方とか、どこまでの話なら説明が必要かなどの会話の感覚を掴みました。
三浦割と早い段階で真面目な話をしたことで、お互いの話の好みがわかりました。
———他にも、お互いが快適に過ごすためにルールを設けたりしましたか?
三浦ないですね。
朝倉ないけど、許してもらってる(笑)。
三浦(笑)。お互い「ごめんね」って気を遣いながら生活しているくらいで、特にルールは設けていないですね。
———お部屋のレイアウトはどうしていますか?
三浦部屋は真半分にしています。ベッドと机を端と端に寄せて半分に分けるイメージですね。
朝倉話すときはそれぞれのスペースから向かい合っています。
三浦他の相部屋の子たちと比べると、簡素な方だと思います(笑)。
他の子たちはお互いの共有スペースにテレビを置くとかアレンジしていると思います。でも私たちは部屋を作業場のようにしていて、特に何もない。冷蔵庫だけが真ん中にあります。
朝倉お互いの荷物は完全に分けていますね。
———部屋での過ごし方にも、部屋ごとに個性が現れるのですね。
価値観が違うからこそ面白い
———共同生活をしていると、少なからず価値観が合わないと感じることもあると思うのですが、そのようなときはどのように解決しましたか?
三浦私は一緒に暮らしてみて、自分と価値観が違うということを面白いと感じました。
生活を間近でみていて、この人にとってはこれが当たり前なんだなとか、こういう人がいるんだ、面白いなって。いい面も悪い面もこれが共同生活なんだと感じられたので、経験できてよかったなと思っています。
朝倉私は自分が大雑把で、苦手分野があるということを理解しているので、先に謝るようにしています(笑)。三浦さんに対して不快に思ったことは何もないので、「すいません」って言っています。
三浦私は整理整頓されていて何もない状態が好きなんです。
朝倉さんは合理的な人という印象で、物が手に届く場所にあればOKという感じ。そこが価値観の違うところですね。
朝倉三浦さんは机の上など身の回りが常にきれいなので、すごいなと思っていました。全てが丁寧なので。
私はすぐに使うものは片付けないんです。でも、丁寧な人の方が気にする部分が多いと思うので、先回りして謝っておく感じです。
———お互いの個性を認め合って、自然に気遣いができているところが素敵です。
共に暮らす、信頼できる人の存在が支えになる
———相部屋に入居してみて、よかったことをお聞かせください。
朝倉困った時に助けてもらえたり話を聞いてもらえたり、感謝しています。それに、自分が自信を無くしているときなどに、相手からも「ありがとう」という言葉をもらえると励まされます。信頼できる人との、そういう関係性がいいなと思います。
———相部屋で過ごしたことで、変化や成長を感じたことはありましたか?
三浦私は自分から悩みを打ち明けるタイプではなかったのですが、朝倉さんが積極的に「今日どうだった?」と投げかけてくれたことで、吐き出すことができるようになりました。
私に同情するというよりも思ったことをそのまま、具体的にアドバイスしてくれることにすごく助けられています。
相部屋にしかない会話や生活がある
———約2年の相部屋生活を振り返って、改めて感じることはありますか?
三浦私たちは相部屋じゃなければここまで仲良くなっていないかも。タイプが違うというか。
朝倉仲良くなる可能性もあったと思うけど、「ちょっと違うな」で終わっている気がする。でも相部屋になったことで、仲良くなれてよかったなって。
むしろ自分と似ている人がパートナーじゃなくてよかったと思います。
———相部屋の良さとはなんでしょうか。
朝倉三浦さんとよく話すのですが、相部屋空間での深い会話って、突発的に起こるんですよね。
よくわからないけど始まって、心に残る会話になったり、気づきを得たりすることが多い。
退寮したらわざわざ時間を作って会うことになるので、そう言う会話ができるのかわからないです。
三浦相部屋には、チェルシーハウスのリビングなどにはない会話や生活があります。
人生の中でそういった経験が得られる時間があって、よかったなと思っています。
———最後に、相部屋にしようか悩んでいる方に一言いただけますか?
朝倉気軽に相部屋を試してみて、結果的に良くても悪くてもそれでいいんじゃないかなと思います。
相部屋を解消できるシステムもあるので、面白そうと思ったらやってみるのがいいと思います。
———ありがとうございました!
(取材・文/松尾しのぶ)