やりたいことの芽が、双葉になるのが早い場所
今回インタビューに協力いただいたのは、明治大学商学部商学科3年生(現在休学中)の片倉まりなさんです。まりなさんは2016年2月に入寮。チェルシーハウスでの生活もすでに半年経ちました。
Q.チェルシーハウスへ入ろうと思った理由は何ですか?
リビング・ダイニングが気に入ったのが一番の理由です。
私は東京でも暖かい食卓、団欒できるリビングでの生活に憧れ、
シェアハウスや学生寮に入りたいと思っていました。
実際大学1、2年生のころも別の学生寮に入っていましたが、
学生同士の交流が全くと言っていいほどなく物足りなかったのです。
そして、3年生になる前に自分の理想の暮らしをしたいと思い見つけたのが、このチェルシーハウス。
説明会でリビング・ダイニングと寮生の雰囲気を見て、入寮を決めました。
Q.チェルシーハウスでは普段どのような生活をしていますか?
毎日、違うリズムで生活しているので、ひとことでは言いにくいのですが、
私は今休学しているため、バイトやボランティアが生活の中心となっています。
それ以外は、読書をしたり寮生と話したり、バイトやボランティアなどの振り返りをしたり、
夜には自分と相方の部屋や他の人の部屋でお酒を飲んだりもします。
もちろん、メンター会やイベントに参加する日もあります。
私にはチェルシーハウスでのお気に入りの場所があります。
それは、スタディルームとフリースペースの間の廊下にある黒い革張りのソファです。
リビング・ダイニングから程よく距離があり、読書をするにも、寮生と話すにも最適の場所で、チェルシーハウスの人気スポットの一つです。
Q.チェルシーハウスでの半年を振り返ってみて、どうですか?
チェルシーハウスでやりたいと思っていたことに、
生でのコミュニケーションというのがあります。
私はプライドが高く人に弱みを見せられない性格で、
以前は人間関係が嫌になったときは関係を終わらせても良いと、冷めた考えを持っていました。
しかし、今までの自分を振り返り、このままではいけない、
自分を変えたいと思ってチェルシーハウスに入りました。
私は寮生入れ替え時期より2ヶ月も前の2月という微妙なタイミングに入寮しました。
そのため、自分の弱みを見せることにためらったり、そもそも話しかけられなかったり、コミュニケーションをとるのに難航しました。
しかし、何度も寮生と関わろうとトライしていくうちにうまくやりとりできるようになりました。
現在(当時8月)では、親しい寮生に自分の弱い面をみせることもできるようになり、自身の変化を感じます。
寮生の人はいい人が多く、絆にひびが入ることがないのは、いいのですが、そのため人間関係の修復に迫られる機会はまだなく、そういった経験はまだできていません。
また、半年という短い期間でもチェルシーハウスによる影響、恩恵を受けていると実感しています。
本棚にある数々の本や寮生との対話はもちろん、メンターさんやOB・OG、寮生が連れてきたゲストなど毎日のように交流があり、多様な経験をしている人との関わりによって得るものは非常に大きいです。
私のバイト先や所属しているボランティア団体も、チェルシーハウスを通じて活動を知ったものばかりです。
私が休学したのも寮生の一人に話しを聞いてもらったのがきっかけでした。
私も大学三年生になり、
大学の同期生の考えと自分の考えに差があることに気づき、また心理学や社会学など他にも気になる分野があり、自分のやりたいことの商学について、このまま大学で学ぶだけでいいのか悩んでいました。
その悩みを相談したところ、
「自分のやりたいことに疑問を抱いたまま、妥協した生活を続けてよいのか」
「今、大学で学ぶことだけが望みなのか」
と質問されました。
私はその質問の答えをよく考えることで、
自分でもっと実のある勉強をしたい。他の分野を極めてみたい。
他を見るなら今しかない。という自分1人では気づくことのなかった、
自分の本音に気づくことができたのです。
もしも、チェルシーハウスに入ってなかったら休学なんて絶対に考えなかったでしょう。
休学中にどんな軸を持って活動するのか、それを明確にできたのも、別のある寮生に誘われたワークショップのおかげです。
そのワークショップは社会問題と自分のやりたいことをすりあわせ、目標を立て、問題解決の方法を発表する五日間のプログラムでした。
私自身、社会貢献したいという思いもあり参加したところ、
今やりたいことは教育問題についてだと考えにいたりました。
現在は「周りの環境に縛られている人たちが、人との関わりのなかで自分の本当の声に気づき、可能性を存分に伸ばせる社会をつくる」という志に則って、ボランティアなどの活動をしています。
Q.今後のチェルシーハウスに対する望みはありますか?
まず、一つ目に「教養を共有する会」をやりたいと思っています。
私は今、高校時代の友人と自分の興味のある分野を紹介し合う会を定期的にやっています。
というのは、商学に興味があっても、商学を極めようとするのに心理や歴史など他の幅広い知識も必要になることがわかったからです。
この会をチェルシーハウスで行うことによって、寮生が他分野の知識を得るきっかけになると思うのです。
二つ目に、寮生同士が交流するしくみを作りたいです。
現在、交流したい寮生はリビングに集まるのですが、
交流を避ける寮生は部屋にいることが多いです。
また、飲み会や食事・遊び・イベントなどがあっても、ほかの用事を優先する寮生もいます。
全寮生が交流できるしくみがあったら、チェルシーハウスはさらに洗練された場所になると思うのです。
または、交流を好む寮生に入ってきてもらいたいと思います。
他の人の違いを認められ、予定の変化にも対応できる、交流を好む人だとチェルシーハウスは刺激的でとても素晴らしい場所に感じられると思うのです。
インタビュアー:鈴木 帆乃香
(NPO法人NEWVERY インターン生 明星大学 デザイン学部デザイン学科)
今回、チェルシーハウスに一泊。インタビューを行いました。
チェルシーハウスに泊まってみて、まず、共用部分の温かみのある照明に、眠気を誘われたことが印象に残っています。本棚にずらりと並ぶ3,000冊以上の本たちは魅力的で、小説や漫画もあるのを発見してチェルシーハウスに住みたくなりました。フリースペースのプロジェクターも魅力的で、ここで映画を見たい!と思いました。