大学生活にどこか希望が持てない。
勉強にも意味を見いだせないまま時間だけが過ぎていく——
そんな“行き詰まり”を感じていた大学3年生の時、新村さんが選んだのは「休学して上京し、インターンを経験する」という決断でした。
その拠点として選んだのが、学生向けシェアハウスのチェルシーハウス。
ただの住まいではなく、新村さんにとって「自分の軸を見つけ直すための場所」だったと言います。
迷っている誰かの背中をそっと押してくれるような、新村さんの体験談をお届けします。

“変わりたい”という気持ちが動き出した瞬間
———休学・上京を決意した背景には、どのような思いがあったのでしょうか?
大学1年生の頃からコロナ禍の期間が続いていて、ずっと閉鎖的な環境の中にいました。
勉強に対しても前向きになれず、「このまま大学にいても、自分にとって意味があるのか?」と疑問を感じていたんです。
そんな時、2024年の元日に起きた能登半島地震に被災しました。
祖母の家が震源近くで、僕自身も現地にいたんです。
「あ、本当に死ぬかもしれないな」って、人生で初めてリアルに感じました。
「人って、いつ何があるかわからないな」と。
それまで人生全体に対して少し後ろ向きな気持ちで過ごしていたんですけど、「だったら少しでも状況を変えて、前に進もう」って思えるようになったんです。
そこでまずは、休学し大学から離れる決断をしました。
———最初から東京に行こうと決めていたわけではなかった?
はい、最初は地元でバイトをしたり、気分転換で行ったことのない場所を訪れたりしていました。
でも、半年ほど経ったときに、「一度、東京に行ってみよう」と思ったんです。
それまでずっと住んでいた地元の金沢以外でも住む経験をしてみたかったし、「ただバイトしているだけ」ではもったいないと感じて。
色々と調べる中でNPO法人のLEGIKAと、そこが運営するチェルシーハウスを見つけました。
「インターンを募集していて、学生向けのシェアハウスも運営している」ということを知って、興味を惹かれました。
当時はシェアハウス自体、あまり詳しいことは知りませんでしたが、もともと一人暮らしすら未経験だったので、どうせ挑戦するならちょっと変わった環境がいいなと思ったんです。
チェルシーハウスには「自由」と「多様性」があった
———暮らしてみて、チェルシーハウスの雰囲気はどうでしたか?
実際に住み始める前は、シェアハウスってもっと“閉じている”というか、 「一応同じ建物に住んでいるけれど、お互いあまり関わらない」みたいなイメージがあったんです。
でも実際は、交流スペースもあって、相部屋でもあって、すごく開放的でした。
かといって、べったりするわけでもなくて、みんなそれぞれ自分のことをやっていて、ちょうど良い距離感でした。
入居してすぐに運動会とか演劇とかのイベントがあって、「え、いきなり参加するの?」と戸惑いましたが(笑)、結果的にそれが良い交流のきっかけになって、ありがたかったです。
———相部屋での生活はいかがでしたか?
最初はどんな感じになるのか少し不安もありましたが、始まってみると心地良かったです。ルームメイトとは一緒にボードゲームをしたり、ご飯を食べに行ったり、気軽に話す時間が自然とありました。
生活リズムや価値観が違うこともありましたが、「違っていて大丈夫」と思えるようになって、人に対して寛容になった自分に気づきました。
———チェルシーハウスならではの空気感を感じる場面はありましたか?
みんな自分のやりたいことに向かって打ち込んでいる人たちばかりで、「ここに住んでいるなら◯◯しなきゃ」といった変な同調圧力がないんです。
「イベントは全力で楽しもう」 「最低限のルールは守ろう」という空気はありつつも、それぞれの考えを大事にしていて、多様性がちゃんと受け入れられているなと感じました。
インターンを通じて、自分の軸が見えてきた
———インターンで働きながらの暮らしは、どのようなものでしたか?
ほぼフルタイムに近い日もありましたが、それ以外の日は柔軟に働いていました。
例えば、朝8時に起きて、9時から業務を始めて、お昼前後で一区切り。
その後は、東京のまだ行ったことのないところを散策したり、また夜に少し業務のための作業に戻ったり、といった感じです。
———長期インターンならではの学びもあったのでは?
はい、沢山ありました。
短期のインターンではできないような業務にも関われたと思いますし、対外的な関係者とも深く関れて、想像以上に沢山の経験ができました。
社員の方々とも距離が近くなって、「チームの一員」として働く実感も得られました。
長期のインターンだからこそ、「働くってどういうことか」「組織に属するってどういう感覚か」を、実体験として知ることができたと思います。
「自分の人生を自分で選ぶ」という覚悟ができた
———東京での半年間で、どんな変化がありましたか?
一番大きいのは、「自分の生き方や選択に対して責任を持てるようになった」ということだと思います。
自分の気持ちを置き去りにせずに、「どう生きていきたいか」を考えられるようになったのは、長期インターンで働いたことと、チェルシーハウスの文化に触れたことの、両方があったからこそだと思っています。
それから、自分は人と関わることがやっぱり好きなんだなということにあらためて気づきました。
人と関わる仕事が向いているなということを、何となくではなくて、実感として持てるようになったのが大きいと思います。
———この生活を通して得たものは、なんだったと思いますか?
自分の軸を見つけ直して、自分を固められたのが大きかったと思います。
頭で考えるだけじゃなくて、実際に行動して、人と関わって、自分の中の必要なこと・好きなこと・強みが少しずつ見えてきたような感覚があります。
「変わりたい」と思っているなら、飛び込んでみてほしい
———最後に、過去の新村さんと似た悩みを持つ学生にメッセージをお願いします。
何となく、「今のままでいいのかな」とか、 「でも、どう動いていいか分からない」とか、そう思っている人は多いと思います。
僕自身も、そんなふうに悩みながら毎日を過ごしていました。
特に地方にいると、周囲に同じような選択をしている人が少なくて、余計に不安になることもあると思います。
でも、だからこそ——上京して、チェルシーハウスのような場所で暮らしながら長期インターンをするという選択は、踏み出しやすい “現実的な一歩”だと思います。
僕も、最初はすごく不安でした。
でも、動いてみたら、少しずつ自分が変わっていく実感が持てました。
一歩踏み出すだけで、すごく景色が変わると思います。
———ありがとうございました!
チェルシーハウスでは入寮生を募集しています
チェルシーハウスは、単なる住まいではなく、多様な価値観や背景を持つ人々と触れ合い、視野を広げることができる貴重な場所です。
ここでは、日々の生活の中で新たな発見や成長を感じることができ、様々な年齢層や考え方を持つ人々とともに過ごすことで、より豊かな経験を積むことができます。
記事に登場した新村さんのように、インターンをしながら暮らす寮生はこれまでにも多く、インターン先の団体や企業も多岐にわたります。
自分のペースで過ごしながら、新しい挑戦や出会いを生活の延長に組み込めるのが、チェルシーハウスならではの魅力です。
少しでも興味を持っていただけたなら、ぜひ一度見学や相談にお越しください。
お待ちしています!
(取材・文/チェルシーハウス事務局)